最近大会中にされた質問集
2014年5月27日 MTG徒然 コメント (6)たまにはジャッジっぽいことを書いておいてみよう。
ただし、スタンダード(や最近のリミテッド)のことの上にあんまり複雑なことは書いていませんので、ルール周りに自信がある人は読んでいただかなくても大丈夫です。
Q.奮励で対象を増やした場合の点数で見たマナコストは?
A.カードの右上の数値(マナ・シンボル)のままです。奮励などの追加コストはその呪文の点数で見たマナコストを変化させません。
・現行のスタンダードでは、《大歓楽の幻霊》がいる時などに問題になります。
Q.同様に、マナコストにXを含む呪文の点数で見たマナコストは?
A.以下の通りです。
・マナコストにXを含んだカードの場合、スタック上ではXは唱える際に選んだ値、スタック以外の領域では0として扱います。
例)あなたが《霧裂きのハイドラ》をX=3で唱えた場合、点数で見たマナコストは4になるため、《大歓楽の幻霊》が戦場にいてもはあなたはダメージを受けません。しかし戦場にいる《霧裂きのハイドラ》の点数で見たマナコストは1(=(X)(G))であるため、置かれている+1/+1カウンターの数に関わらず《突然の衰微》の対象として適正です。
Q.奮励で対象に取れるクリーチャーを増やした場合、同じクリーチャーを複数回対象に取れますか?
A.取れません。n体(あるいは最大n体)の対象を取る場合、それぞれ別の対象を選択しなければなりません。
・英雄的の誘発や、《双つ身の炎》で同じクリーチャーを増やせるかなどのケースで訊かれることが多いですね。
Q.授与コストでオーラカードとして唱えたカードが対象不適正になりました。どうなりますか。
A.解決時に、対象不適正として立ち消えになる代わりにクリーチャー呪文として解決される。
・スタック上ではエンチャント(クリーチャー)のエンチャント-オーラのままなので、《否認》で打ち消せて《本質の散乱》では打ち消せないままです。
・呪文の解決に入って初めてクリーチャー呪文に戻ります。
Q.直前の自分のターンの開始時より前からコントロールしている授与を持つオーラが外れてクリーチャーになりました。これはコストに(T)を含む起動型能力を起動したり、攻撃に参加することができますか?
A.できます。
・「出したばかりの《変わり谷》をクリーチャー化しても攻撃できませんが、前のターンからある《変わり谷》をクリーチャー化したら攻撃できますよね?」と言うとだいたい伝わる。
Q.《苦痛の予見者》の神啓の誘発を忘れてドローステップのドローをしました!
A.気付いた時点でスタックに置きます。
・これは「REL:一般」の場合(FNMやゲームデー)の処置です。
・「REL:競技」の場合は、選択型でもオブジェクトの領域変更を伴う能力でもないため、スタックに置くかどうかは対戦相手が選ぶことになります。
・「REL:一般」でも、お互いにライブラリートップを知り得ていたかなどは確認します。また、気付くのが遅すぎた(様々な選択がなされた後の)場合には、スタックに置かないよう指示することもあります。
Q.残りライフ4、コントロールしている土地は特殊地形6枚。戦場には《燃え立つ大地》がある。この状態でゲームに敗北することなく《スフィンクスの啓示》をX=3で唱えることはできるか。
A.可能。手順は以下の通り。
1) 優先権がある状態で、特殊土地からマナを出すことを宣言。
2) この際、《燃え立つ大地》の誘発型能力が生成されるが、マナ能力はスタックに置くことなく先に解決されている。
「マナプールに1点のマナがあり、スタックには《燃え立つ大地》の誘発型能力が1個置かれている」
という状態になる。
3) 同様にすべての土地からマナを出す。《燃え立つ大地》の誘発型能力が6回分スタックに置かれているが問題なくマナプールに6点のマナを加えることができる。
4) あとは《燃え立つ大地》の誘発型能力が解決される前に《スフィンクスの啓示》をX=3で唱えれば先にライフが7まで回復する。
・これをやると、ドローで《平地》と《損耗》を持ってこないとスタンダードだと解決しないことに後から気付く。例が極端すぎたw
・あ、《解消の光》でもセーフか。今初めて《解消の光》の使い道に気付いた気がする。
・《スフィンクスの啓示》を唱えることを宣言した後に、それを唱える間に土地からマナを出した場合、《スフィンクスの啓示》がスタックに置かれた後に誘発した《燃え立つ大地》がスタックに置かれる。結果、《燃え立つ大地》の能力が先に解決される。通常はライフが0になりゲームに敗北する。
# ただし、実際の試合中に「唱える方法を教えてください」と訊かれても答えられないわけで。
# アドバイスになっちゃう。
# 「今この状態で、(特殊)土地からマナを出した場合、(燃え立つ大地から)ダメージを受ける前にこのマナを使うことができますか」
# みたいな質問だったらYesって答えられるんですけれど。
Q.5/5の攻撃クリーチャーを《ボロスの反攻者》と《火飲みのサテュロス》でブロックされた場合に、《火飲みのサテュロス》に5点ダメージを割り振ることは可能?
A.可能。ダメージ割振り順を《火飲みのサテュロス》(a)→《ボロスの反攻者》(b)の順に宣言した場合、《火飲みのサテュロス》に5点ダメージを割り振るのは適正。
◎:aに5点
◎:aに4点、bに1点
◎:aに3点、bに2点
○:aに2点、bに3点
○:aに1点、bに4点、
×:aに0点、bに5点
※◎も○も可能、×はダメ
# 防御プレイヤーさんより「MOではすべてのブロック・クリーチャーに致死ダメージを割り振らないとダメだった!」とのことで納得してもらえず、別のジャッジも呼んでのルール説明。
# 「本当にMOの方でそうだったなら、それはMOのミスなのでそちらで改善要望を出してください」とは伝えたのですが。
# かなり真剣に訴えられておられたので気になる。
# MOでそういうケース(上の割り振り例の◎の部分が不可能という不具合)が発生したことがある人って他にいらっしゃいますでしょうか。
# 何か特殊な条件(他のパーマネントやトランプルや接死)が必要な場合もあるから、難しいかな。
# WotC社に連絡するにしても、実際の画面をPRTSCして添付して送らないとダメだろうなあ。
# もしも同じ事例になった方が誤解しませんように。
# そういう事態に遭遇した方は改善要望をよろしくお願いします。
----
ついでに、よく見かけるゲームの異常。
■ 授与されているクリーチャーで攻撃した時、授与カードも一緒にタップ
・カードの位相の異常なので、これは対戦相手も指摘してください
・装備品とかでもよく見かける
・装備品やオーラのタップ/アンタップ位相はほとんどのゲームで問題にならないため意識されない(あるいは分かっていても気にしない)ことが多いですが、これはほとんどのゲームに影響を与えます
・できれば、普段から(他の装備品やオーラも)気にしてくれると嬉しいなあ。
ただし、スタンダード(や最近のリミテッド)のことの上にあんまり複雑なことは書いていませんので、ルール周りに自信がある人は読んでいただかなくても大丈夫です。
Q.奮励で対象を増やした場合の点数で見たマナコストは?
A.カードの右上の数値(マナ・シンボル)のままです。奮励などの追加コストはその呪文の点数で見たマナコストを変化させません。
・現行のスタンダードでは、《大歓楽の幻霊》がいる時などに問題になります。
Q.同様に、マナコストにXを含む呪文の点数で見たマナコストは?
A.以下の通りです。
・マナコストにXを含んだカードの場合、スタック上ではXは唱える際に選んだ値、スタック以外の領域では0として扱います。
例)あなたが《霧裂きのハイドラ》をX=3で唱えた場合、点数で見たマナコストは4になるため、《大歓楽の幻霊》が戦場にいてもはあなたはダメージを受けません。しかし戦場にいる《霧裂きのハイドラ》の点数で見たマナコストは1(=(X)(G))であるため、置かれている+1/+1カウンターの数に関わらず《突然の衰微》の対象として適正です。
Q.奮励で対象に取れるクリーチャーを増やした場合、同じクリーチャーを複数回対象に取れますか?
A.取れません。n体(あるいは最大n体)の対象を取る場合、それぞれ別の対象を選択しなければなりません。
・英雄的の誘発や、《双つ身の炎》で同じクリーチャーを増やせるかなどのケースで訊かれることが多いですね。
Q.授与コストでオーラカードとして唱えたカードが対象不適正になりました。どうなりますか。
A.解決時に、対象不適正として立ち消えになる代わりにクリーチャー呪文として解決される。
・スタック上ではエンチャント(クリーチャー)のエンチャント-オーラのままなので、《否認》で打ち消せて《本質の散乱》では打ち消せないままです。
・呪文の解決に入って初めてクリーチャー呪文に戻ります。
Q.直前の自分のターンの開始時より前からコントロールしている授与を持つオーラが外れてクリーチャーになりました。これはコストに(T)を含む起動型能力を起動したり、攻撃に参加することができますか?
A.できます。
・「出したばかりの《変わり谷》をクリーチャー化しても攻撃できませんが、前のターンからある《変わり谷》をクリーチャー化したら攻撃できますよね?」と言うとだいたい伝わる。
Q.《苦痛の予見者》の神啓の誘発を忘れてドローステップのドローをしました!
A.気付いた時点でスタックに置きます。
・これは「REL:一般」の場合(FNMやゲームデー)の処置です。
・「REL:競技」の場合は、選択型でもオブジェクトの領域変更を伴う能力でもないため、スタックに置くかどうかは対戦相手が選ぶことになります。
・「REL:一般」でも、お互いにライブラリートップを知り得ていたかなどは確認します。また、気付くのが遅すぎた(様々な選択がなされた後の)場合には、スタックに置かないよう指示することもあります。
Q.残りライフ4、コントロールしている土地は特殊地形6枚。戦場には《燃え立つ大地》がある。この状態でゲームに敗北することなく《スフィンクスの啓示》をX=3で唱えることはできるか。
A.可能。手順は以下の通り。
1) 優先権がある状態で、特殊土地からマナを出すことを宣言。
2) この際、《燃え立つ大地》の誘発型能力が生成されるが、マナ能力はスタックに置くことなく先に解決されている。
「マナプールに1点のマナがあり、スタックには《燃え立つ大地》の誘発型能力が1個置かれている」
という状態になる。
3) 同様にすべての土地からマナを出す。《燃え立つ大地》の誘発型能力が6回分スタックに置かれているが問題なくマナプールに6点のマナを加えることができる。
4) あとは《燃え立つ大地》の誘発型能力が解決される前に《スフィンクスの啓示》をX=3で唱えれば先にライフが7まで回復する。
・これをやると、ドローで《平地》と《損耗》を持ってこないとスタンダードだと解決しないことに後から気付く。例が極端すぎたw
・あ、《解消の光》でもセーフか。今初めて《解消の光》の使い道に気付いた気がする。
・《スフィンクスの啓示》を唱えることを宣言した後に、それを唱える間に土地からマナを出した場合、《スフィンクスの啓示》がスタックに置かれた後に誘発した《燃え立つ大地》がスタックに置かれる。結果、《燃え立つ大地》の能力が先に解決される。通常はライフが0になりゲームに敗北する。
# ただし、実際の試合中に「唱える方法を教えてください」と訊かれても答えられないわけで。
# アドバイスになっちゃう。
# 「今この状態で、(特殊)土地からマナを出した場合、(燃え立つ大地から)ダメージを受ける前にこのマナを使うことができますか」
# みたいな質問だったらYesって答えられるんですけれど。
Q.5/5の攻撃クリーチャーを《ボロスの反攻者》と《火飲みのサテュロス》でブロックされた場合に、《火飲みのサテュロス》に5点ダメージを割り振ることは可能?
A.可能。ダメージ割振り順を《火飲みのサテュロス》(a)→《ボロスの反攻者》(b)の順に宣言した場合、《火飲みのサテュロス》に5点ダメージを割り振るのは適正。
◎:aに5点
◎:aに4点、bに1点
◎:aに3点、bに2点
○:aに2点、bに3点
○:aに1点、bに4点、
×:aに0点、bに5点
※◎も○も可能、×はダメ
# 「本当にMOの方でそうだったなら、それはMOのミスなのでそちらで改善要望を出してください」とは伝えたのですが。
# かなり真剣に訴えられておられたので気になる。
# MOでそういうケース(上の割り振り例の◎の部分が不可能という不具合)が発生したことがある人って他にいらっしゃいますでしょうか。
# 何か特殊な条件(他のパーマネントやトランプルや接死)が必要な場合もあるから、難しいかな。
# WotC社に連絡するにしても、実際の画面をPRTSCして添付して送らないとダメだろうなあ。
# もしも同じ事例になった方が誤解しませんように。
# そういう事態に遭遇した方は改善要望をよろしくお願いします。
----
ついでに、よく見かけるゲームの異常。
■ 授与されているクリーチャーで攻撃した時、授与カードも一緒にタップ
・カードの位相の異常なので、これは対戦相手も指摘してください
・装備品とかでもよく見かける
・装備品やオーラのタップ/アンタップ位相はほとんどのゲームで問題にならないため意識されない(あるいは分かっていても気にしない)ことが多いですが、これはほとんどのゲームに影響を与えます
・できれば、普段から(他の装備品やオーラも)気にしてくれると嬉しいなあ。
コメント
Q5のような事例は発生しません。(普通に任意にダメージ割り振れる)
ただし旧バージョンです。
MOは非常にバグ・・とまでいかなくとも、挙動がリアルと違うことが多々あるので、ルールの勉強をするにはあまり向いてませんね。
訪問&コメントありがとうございます。
常時そういうわけではないようですね。
特殊な状況下で発生したのかもですが、こういう些細な記事ででもルールの勘違いが減ることを切に願っております。
新クライアントはいろいろ不具合が出ているようですね。
アップデートのたびにちょっとずつ改善されているようですが、プレイに影響が出るものはすぐに直して欲しいものです。
MOはリミテッドの練習に使っていたのですが、『テーロス』ブロックになってから一回も起動していないなー。
久しぶりに触ってみようかな。
「X枚カードを引く」というのは「「カードを1枚引く」」をX回繰り返す」ことになるからです。
トップを公開しない例としては、ライブラリーを上からX枚見る場合などですね。
《クルフィックスの狩猟者》をコントロールしているプレイヤーが《マグマの噴流》を唱えた場合、占術の解決の間、一番上は公開したまま二番目のカードを(自分だけ)見て、望む枚数をライブラリーの下に置き、残りをライブラリーの上に好きな順番で戻すことになります。
この時、2枚とも下に送ったとしても、二番目にあったカードは公開されません。
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ええと、その裁定出したの私じゃないですよね???
(複数ブロックのされた際に、すべてに致死ダメージを割り振ることを強制される)があるらしい、という噂を聞きました(所持はしていないので未確認)。
質問者の方からは後から「MOで再現できませんでした」と言っていただいていたので解決済みではあったのですが、もしかしたら勘違いはそっちからきていたのかも?